夏が到来　最も期待された旬の美味も出回った＝蘇州

毎年六、七月を迎えるにあたり、グルメたちは首を長くしてその美味しい「六月黄」を待ち始める。「六月黄」とは、旧暦の六月に3回目に脱皮したばかりの「童子蟹（ヒナカニ）」。この時期のカニの重さは約100グラムで、外殻が脆く、裏の殻が柔らかく、非常に美味しくて肉がたっぷりとするなどの特徴がある。「六月黄」はオスのカニを食べるのが主で、そのどろどろしたみそは黄金色で、口触りが柔らかく、滑らかで、極めて美味しい。食べるために一年も待った蘇州人が多いそうであるが、つい最近、この「六月黄」はようやく蘇州の水産市場に出回った。

写真・六月黄

まだ最後の脱皮をしてないので、「六月黄」を買う時、「青背中で白腹」という成熟したカニを評価する標準で選択してはいけない。この時期の「六月黄」は、もしその足を手で軽く触ると、やや柔らかくして、それに、秋風立った後のカニほど横柄ではなく、ただ軽くはさみを振って全然抵抗なんかならない。これこそは「六月黄」の特徴である。また、「六月黄」の背中の殻と腹の間の隙間をよく見なければならない。その黄色の卵が見えるのが上等である。

それに、「六月黄」はその肉があまりにも柔らかいので、蒸し料理にしないほうがいい。蒸して料理すれば、「六月黄」の水分が失ってしまうため、それほど美味しくなくなるわけである。生小麦粉をつけてから油で炒め、外側が黄金色になった後、ほかの食材を入れて炒める「麺拖蟹」と油で炒めてから唐辛子や山椒などと一緒に炒める「香辛蟹」は薦めである。

写真・三蝦麺

もちろん、夏を迎えた蘇州では、「六月黄」の以外にまた沢山の美味しい料理がある。例えば、とろ火で煮込んだ肉をラーメンの上にのせる楓鎮の「楓鎮大肉麺」は柔らかくてとろとろして、濃厚だが脂っこくない。若海老のむき身、卵、脳で作った「三蝦麺」も美味しくてたまらない。後は、麺を柔らかく煮てから、扇風機の前に置いて涼しい風で冷め、口あたりがさっぱりして滑らかな「風扇涼麺」や米の香りに淡いミントの味がする「ミントもち」、緑豆、もち米、インゲン豆、シロップ漬けのナツメなどの豊かな食材が入り、冷たいミント水で作った「蘇式緑豆スープ」、美味しくて、いい匂いがして、口あたりがもちもちですっきりもして、しかもハスの葉を料理に使った豚肉のもち粉蒸しなどもある。