浦東新区の概況
浦東新区は上海市の黄浦江の東岸に立地し、面積1210 平方キロメートル、常住人口576.77万人、両方とも上海市の約1/5 を占めている。1990年4月18日、党中央国務院は上海浦東の開発開放を公表した。30年以上の発展を経て、浦東はかつて農業を中心とした地域から、機能が集積しており、要素がそろっており、先進的な施設を整えた現代的なニューシティーへと変貌を遂げた。この美しい形をしている中国東部海岸線を強い弓に例えるのならば、中華民族の母なる川「長江」は正にこの弓にかけた鋭い矢であり、浦東はちょうどこの矢の先端に位置し太平洋に立ち向かう矢の根と例えていいのではないか。云わば「最前線にいる兵士の中で最前列にいる兵士、先駆者の中の先駆者」である。
2005年6月21日、国務院は浦東が総合的な改革試行を全国で初めて実施することを承認した。2013年9月29日、中国(上海)自由貿易試験区が浦東で発足した。2015年4月27日、上海自由貿易試験区は120.72平方キロメートルに拡大した。2019年8月20日、上海自由貿易試験区臨港新片区が発足した。2021年7月15日、「中共中央 国務院が浦東新区のハイレベル改革開放と社会主義現代化建設先導区の建設を支持することに関する意見」が正式に発表された。浦東が三十数年の開発開放で収めた著しい成果は、中国の特色ある社会主義制度の優位性を証明するの最も生き生きとした現実的な証拠となり、改革開放と社会主義現代化建設を示すための最も生き生きとした実践的な描写ともなる。
「十三五」(第13次五カ年計画)期間中、浦東の地域総生産は2016年の9547億5400万元から1兆5400億元に、一定規模以上の工業生産総額は9283億1500万元から1兆2400億元に、商品販売総額は3兆2000億元から5兆6500億元に、対外貿易輸出入総額は1兆8000億元から2兆3900億元に増えた。経済効果はさらに高まった。一般公共予算収入は963億8000万元から1173億7000万元に、一人当たりの総生産は17.4万元から27万元に増え、国民生活投入が財政支出に占める割合は45%以上に維持され、住民全体の一人当たりの可処分所得は5.6万元から8.1万元に増えた。市場は引き続き活発になり、各種類の市場主体は43万戸を超えた。新しい経済の原動力が生み出されつつある。「中国芯(チップ)」「革新薬」「藍天夢」「未来車」「スマート製造」「データポート」の6大ハードコア産業の発展に焦点を当て、産業規模の総量は1兆元の大台に乗った。デジタル経済の発展が加速し、オンラインニュー経済、共有経済、プラットフォーム経済などの新業態や新モデルが続出し、新生代のインターネット企業が急速に成長している。
2024年、浦東新区の経済・社会の発展は全体的に安定し、着実な歩調で進展し、進展の中で質を向上させ、ポジティブ要因が多く蓄積されている。経済は回復基調を維持し、新たな質の生産力の分野で注目を集める成果が頻繁に現れ、消費・流通市場の活力が解放され、社会保障や社会福祉が充実されている。浦東新区のGDPは1兆7300億元を超え、一定規模以上の工業総生産額は1兆3200億元、一定規模以上のサービス業の営業収入は1兆2000万元を超える見込みである。また、一般公共予算収入は1308億7000万元に達し、社会全体の固定資産投資は3500億元を超えた。
2025年は第14次五カ年計画の最終年であり、浦東新区開発・開放の35周年でもある。2025年浦東新区の経済・社会発展の主な目標は次の通りである。つまり、5%以上のGDP成長率、3%の工業付加価値額の増加、2%一般公共予算収入、着実に進展する社会の固定資産投資、経済と歩調を合わせた一人当たりの可処分所得の伸びである。それ以外に単位GDP当たりエネルギー消費量はさらに減少し、主要な大気汚染物質の排出削減は上海市の関連要件を満たす。