市場化・法治化・国際化のビジネス環境づくりを加速
国務院弁公庁はこのほど、「ビジネス環境の更なる改善と市場主体への奉仕質向上に関する実施意見」(以下、「意見」と略す)を発表した。
「意見」は、近年我が国のビジネス環境に顕著な改善が見られた一方、一握りの弱みや脆弱な部分は未だ存在しており、特に新型コロナ感染症に見舞われ、企業の経営難が際立つ現在、市場主体への思いやりに焦点を当て、国際先進水準に右へ倣えし、改革をもって企業生産・経営において難点・問題点を打破し、市場主体への奉仕を強化し、市場化・法治化・国際化のビジネス環境づくりを加速させると指摘した。「意見」は6方面の政策措置を提示した。
第一は、投資・建設事業の利便度を引き続き上げること。投資プロジェクトの事前審査プロセス短縮に向けて改善・再構築し、プロジェクト実行機関はまとめた書類で申告し、政府部門は集中受理、同時アセスメント、同時審査、集中通知を行い、工事建設プロジェクトの全プロセスオンライン審査の実施を促す。「複数の規則を1つにまとめる」事業を推進して深化させ、マッピングの標準や規則を統一し、その成果の共有・相互承認を実現させる。
第二は、企業生産・経営の資格審査と条件を更に簡素化すること。市場参入の制限を緩め、教育・医療・スポーツなどの分野において不適切な参入条件を削除する。工業製品生産・流通などの段階における管理措置を簡素化し、今年内に工業製品の生産許可証管理権限を省レベルまで委譲する。零細企業の経営コストを低下させ、地方による「1つのライセンスで複数の場所で経営」事業展開を支持し、プラットフォーム企業によるコミッションやバーコード決済の手数料の引き下げを推奨する。
第三は、対外貿易に携わる外資系企業のビジネス環境を改善すること。輸出入通関の効率を向上させ、「事前申告」事業を推進し、「2つのステップで申告」という通関パターンを改善する。輸出入段階においての査証は原則として「単一窓口」で集中受理する。対外貿易に携わる外資系企業の経営規制を更に減少し、輸出商品の国内販売を支持し、地レベル以上の都市に外商投資企業登録事業を展開する資格を授与する。
第四は、就業・起業の制限を緩めること。運送ドライバー、獣医師など、一部の業界の就業条件を改善する。人材の流動とフレキシブルな就業を促し、来年6月末前役職情報のオンライン確認を実現させる。新業態に対する包摂的・慎重な審査や監督管理に向けて改善し、インターネット診療の範囲を更に広め、ナビゲーションの電子地図作成・マッピング資格申請条件を緩める。コネクティッド自動車などの新業態のための活用シーンを増える。
第五は、企業向け奉仕の質を向上させること。企業設立・経営の利便化を推進し、零細企業、工商業個人事業主による経営場所登録の制限を緩める。納税業務サービスを向上させ、今年内に納税業務のオンライン実施を実現させる。商標登録の効率を向上させる。動産の保証付き融資サービスを改善する。
第六は、ビジネス環境改善のロング・ターム・メカニズムを改善すること。実施効果に重点を置くアセスメント制度を整える。政府・企業間交流連絡の恒常化したメカニズムを作り、ビジネス環境に関する要望受理とレーティングの対応という「1つの網」をはる。企業が恵まれるように政策を推進し、企業に便利をもたらす「申請抜きで即時享受」政策を実施する。
「意見」は、各地区・部門に「意見」が提示した各事項を真剣に貫徹・実施し、市場主体のニーズをめぐって、現実的で効果的な改革措置をより多く研究して打ち出してもらう。国務院弁公庁に「放・管・服」改革(行政のスリム化と権限委譲、制限緩和と管理の結合、サービスの改善)とビジネス環境改善事業実施への踏み込みに関する業務指導を強化し、包括的・調和的な活動に向けて、事業実施を督促し、改革措置の効果的な実施を確保してもらうと要請した。