上海、19か条の措置を打ち出し 民間企業を金融面から支援
上海市政府新聞弁は6月10日、第十一回陸家嘴フォーラムをめぐって記者会見を行い、上海市金融工作局の鄭楊局長は上海の金融サービス分野における民間企業を支援するための19か条の措置について紹介した。
鄭楊氏によると、上海は民間・中小企業の資金調達難問題を解決し、金融業発展の環境をより優れたものと建設するため、以下5方面に注力しようとしている。
一、上海の中小企業を対象とする政策性融資の担保基金を運営し、さらにその規模を50億から100億元(1元は約15.7円)まで高め、銀行・保証会社の間で新しい提携関係を作り上げ、政策上再保証システムを構築。
二、19か条の措置を主体とする支援政策のレベルアップを実現。例えば、信用リスク補償システムと賞罰制度整備を継続的に推進し、科学イノベーション・ファンドオブファンズ、創業・投資引導基金などを設立し、ベンチャーキャピタルや株式投資機関を誘致。
三、中小金融機関のシステム構築を強化し、村鎮銀行(中国農村地域で開設した銀行)、マイクロファイナンス機関の発展を促進し、銀行の中小専門支店(中小企業向けに融資サービスを提供する銀行支店)と科学技術支店(科学技術に携わる企業向けに融資サービスを提供する銀行支店)の開設を支援。
四、中小企業を対象とする融資サービス及び株式投資・ローンをリンクする融資サービスのイノベーション・モデルチェンジを展開。健全なローンの保証制度を整え、革新的な保険商品の開発を行う。
五、中小企業のビジネス環境を最適化するため、上海市企業サービスクラウドを開発し、商業銀行と中小企業のクレジット商品情報をまとめ、「ワンサイト」を利用すれば検索できるようにサービスをエスカレートさせる。
また、鄭楊氏は2018年4月に発表された上海の「開放を拡大する100か条」政策が広範囲にわたり、概ね実行されていると紹介し、同政策の実施を高く評価した。上海はすでに31件の金融対外開放プロジェクトを国務院及び国家金融管理部門へ提出し、うち17件が実行段階に入ったほか、新たな8件も近いうち提出される予定。一方、上海自由貿易区は成立から5年にわたって、金融イノベーションに関する110例を公開し、自由貿易試験区の金融開放とイノベーションを深めてきた。それだけではなく、上海はグローバルな資産運用センターの建設、クロースボーダーの人民元建て決済業務の展開、金融イノベーション商品の上場など、様々な面で目覚しい成果を出したという。
それに対し、銀保監会(中国銀行保険監督管理委員会)弁公庁副主任の綦相氏は、銀保監会は上海における金融対外開放措置の実施を力強く推し進めていくと表明した。外資系銀行、保険機構の誘致について、今年第一4半期では30か国・地域から227か所の外資系銀行営業所が上海に設立され、2001年の52から四倍まで登った。それに伴う外資系銀行と国内銀行の戦略提携も加速している。2018年、こういう提携に関するプロジェクトが102件まで達し、金額は4000億元近くで、2017年の四倍余りとなった。