大型外資プロジェクトの契約式が上海で行われ 契約総額は234億元
このごろ、大型外資プロジェクトの契約式は上海で開かれ、その契約プロジェクト件数は12件、契約総額は234億元(1元は約16.22円)に達した。契約企業はアメリカのゼネラル・モーターズ(GM)とNU SKIN社、フランスのDecathlon社、デンマークのLEGOグループ、台湾メーカーのASUS、日本のOmron、日本最大の日用品メーカー・花王グループ、日本の武田薬品工業株式会社など。
上海市商務委員会がまとめた最新の統計によると、今年1-9月に上海は新規導入した外資プロジェクト数も、契約外資総額も、到着外資額も前年と比べて大幅な増加を遂げた。そのうち、新規導入した外資プロジェクトは3704項目となり、契約外資総額は336.23億ドル(1ドルは約112.1円)、到着外資額は129.43億ドルで、前年同期比で17.8%、20.4%、2.1%増加した。そのほか、上海で多国籍企業の地域本社を置くところは37社に上り、投資会社は13社、研究開発会社は12社。
2018年9月末現在、上海市の誘致した外資プロジェクト数は延べ9.51万項目、契約外資総額は4578.47億ドル、到着外資額は2360.83億ドルに達している。また上海で投資した多国籍会社の地域本社は653社(このうち、アジア太平洋の地域本社は79社を数える)に上がり、外資系投資会社は358社、研究開発会社は438社。
上海市商務委員会の楊朝氏の紹介によると、上海は制度的取引コストの引き下げにより、外資の誘致を推進してきた。具体的には、国際貿易の『ワンストップ窓口』を設置し、通関効率が平均40%上昇した。それに「自由貿易区に入ってから通関手続き」、「自由貿易区内の自由な輸送」、「一回の申請、一回の検査、一回の通関」、クロスボーダー電子商取引などの改革措置を打ち出して試験区内の貨物通関時間は2−3日短縮され、物流コストも大幅に削減されたという。
今年9月現在、上海で投資を行う国や地域の数は178に達しており、外資投資額は合計118.91億ドルで、このうち2018年1月から9月までの投資額トップ10は香港、ドイツ、シンガポール、日本、アメリカ、イギリス領のバージン諸島、ケイマン諸島、フランス、イギリス、オランダ。
さらに注目すべきなのは、上海市商務委員会がこのほど発表したデータによると、今年1月から9月にかけて、日系企業は上海への投資は前年同期比7%増の5.96億ドルに達したということである。
ここで、今回の外資プロジェクトの契約式で契約が結ばれた三つの日本のプロジェクトとその担当会社を紹介させていただきます。
製薬業界で日本最大手の武田薬品工業
武田薬品工業株式会社は研究開発を中心にしているグローバル製薬会社であり、製薬業界で日本最大手でもある。同会社は腫瘍や消化、神経などに関する薬品の研究開発を行い、日本、アメリカ、ヨーロッパで研究開発センターを設立し、サービスのカバー範囲はヨーロッパ、アメリカ、アジアの主要国家・地域に及んでおり、また開発した薬品は全世界の90以上の国に販売している。
今回は同会社は1.165億ドルを投じて、生産を拡大していく。同会社の企業事務と広報部の呉琰・総監は「武田薬品工業は1994年中国市場に進出し、その後上海で中国地域の本社とアジア薬品開発センターを設立しました。中国で投資を拡大する理由というと、中国市場の規模や発展のポテンシャルは巨大で、中国は薬品審査・検査の改革が絶えず進めているからです」と語った。
Omron会社
Omronは多分野にまたがる電子サプライヤで、業務範囲は工業自動化、医療、自動車電子部品、電子コンポーネント、公共事業など多岐にわたっている。1993年Omron社は浦東の金橋で投資し、これにより研究開発、製造、物流、販売の拠点は日本から上海に移り、中国特有の生産・供給チェーンを構築した。2005年Omronは二回目上海で投資を行い、生産規模は前回より5倍ほど拡大し、生産高は30億元に達している。
Omron社は今回約1000万ドルを投じて、上海自由貿易区でOmron(上海)有限公司二期工場を建設した。同工場は9102平方メートルを占め、主に光電センサー、人の動きを感知するセンサーなどを中心に研究開発を展開していく。さらにOmronは生産ラインを拡大し、2020年センサーの月産は170万台に増やす計画。
日本の花王株式会社
日本の花王株式会社は1887年に創立され、日用化学品からプレシジョン(精密な)化学品まで幅広く事業を展開している。グローバル消費品のトップ50にランクインした同社は、現在中国に11の支社を立ち上げている。
2012年上海金山第二工業区で設立された花王(上海)化工有限公司は登録資本(金)の総額が5.5億元に到達、界面活性剤と補助薬、鋳造用パイプの生産と開発を行っている。今回は花王株式会社は6800万ドルの投資を行い、界面活性剤の研究開発を進めていく。