広州サイエンスシティ(撮影:賈自豪)
最近、広東省改革深化委員会は「広州サイエンスシティイノベーション発展のためのアクションプラン」(以下、「アクションプラン」とする)を発表した。「アクションプラン」では、広州サイエンスシティは「中国のスマート製造のセンター」の建設という全体的な位置付けに重点を置き、広東・香港・マカオグレーターベイエリアの国際科学技術イノベーションセンターと製造業の質の高い発展のための国家リーディング区を建設するために全力を尽くすことを掲げている。
発展目標
2023年までに実現すべき5つの大きな進歩
「アクションプラン」では、2023年までに、広州サイエンスシティが5つの面で大きな進歩を実現し、21の重要タスクを完了させることを提案している。5つの大きな進歩とは、発展スペースの大幅な最適化、科学技術イノベーションの大躍進、産業クラスターの大きな強化、中小企業の大発展、対外開放の局面の形成である。
将来、広州サイエンスシティは計画面積が145㎢に拡大し、イノベーションの産業区・サービス区・開拓区を建設し、科学技術イノベーションクラスター軸と先進製造業アップグレード軸を構築し、地域のイノベーション発展のために「1核、3区2軸」の新しい構成を形成する予定である。
科学技術イノベーショ
研究開発費はGDPの6%以上の水準へ
「アクションプラン」によると、2023年までに、広州サイエンスシティは1つ以上の大型科学装置、10ヵ所以上の中国科学院系列の科学研究機関、100以上の新しい研究開発機関と国家レベルの企業イノベーションプラットフォームを構築し、GDPに占める研究開発の割合を6%以上にすることを計画している。この目標を達成するために、主要な科学技術インフラを整備し、国際的な一流の科学研究機関を集め、ハイレベルな産業技術の研究・開発・転換のプラットフォームを構築する予定である。
産業イノベーショ
世界トップクラスのバイオ医薬産業基地の建設
「アクションプラン」によると、広州サイエンスシティは新世代情報技術・人工知能・バイオ医薬の世界トップクラスの3つの新興産業クラスターを構築し、産業総生産額が「兆元」規模の強区を作り、ハイテク製品の生産額を一定規模以上の産業総生産額の70%以上にすることが明記された。
また、広州サイエンスシティは伝統的な工業企業の技術転換を新たに行い、水素エネルギー・スマート自動車・健康食品などの産業の配置を改善し、石油化学・自動車・食品飲料などの産業のアップグレードを促進する予定である。
制度イノベーション
戦略科学者と産業トップ人材に「6つの力」を付与
「アクションプラン」では、制度イノベーションを強力に推進し、知的財産権の保護の面では、中国(広州)国際知的財産権業務センターの建設を推進するとしている。ビジネス環境の改革の面では、革新的な「ブロックチェーン + AI」サービスを提供する。香港とマカオとの協力について、税制の革新、国境を越えたデータの統合、公共サービスの提供などで制度改革を行う予定である。
2023年には、ユニコーン企業が新たに多数加わり、世界の産業構造へ重要影響を与える企業が1~2社生まれ、国の先頭を走る中小企業ブランドが多数形成されるだろう。
オープンイノベーション
「保税+科学技術革新」連動運用モデルを試行
「アクションプラン」では、シンガポール・イスラエル・EUなどの国や地域との協力を深め、恒常的な交流の仕組みや実体のある協力プラットフォームを構築することを提案している。
その他、国際的に有名なサイエンスシティとの繋がりを強化し、人材育成・科学研究プロジェクト・学術交流の分野で協力する幅広いネットワークを構築していく。また、海外の国際的な科学技術金融機関や科学技術産業組織が広州サイエンスシティに入ることを奨励し、区にある企業が海外イノベーションセンターを建設することを支持する。
スマート製造ニューシティ
白曇空港や広州南駅まで車で約30分
産業用スペースについては、「アクションプラン」は新しい開発用地のモデルを提案している。合理的な規模の新規建設用地を前提に、産業用地の分類を革新し、土地の複合利用を促進し、土地の供給構造を最適化する。
交通面では、高速道路網を整備し、広州サイエンスシティから白曇空港や広州南駅などの交通ハブまで30分でアクセスできるようにし、広東・香港・マカオのグレーターベイエリアの中心都市と繋がる1時間の交通圏を建設する。